尿酸とプリン体の関係性とは
尿酸はプリン体の代謝物質
尿酸は、窒素化合物の一つで、古い細胞が分解される際に、一緒に作りだされる老廃物です。尿酸は体内で、毎日作られています。私たちの体は、約60兆個もの細胞から作られていますが、ほとんどの細胞は常に新し細胞へと生まれ変わるこので、生命を維持できています。
この生命を維持していく仕組みを代謝といいます。細胞の核である遺伝にはDNAやRNAなどの大切な物質が存在しています。この細胞核が生まれ変わる時に分解されて、プリン体が生成されます。
そしてプリン体は肝臓などの全身の細胞で分解されて、最終的には尿酸へと変化します。この尿酸は血液によって腎臓へ運ばれて、尿と一緒に体外へと排泄されます。
プリン体のほとんどは体内で生成
プリン体の80~90%は体内で作り出されますが、それ以外は食事によって体内へ入ってきます。そして食事より入ってきたプリン体は、ほとんどが腸内で分解されて尿と一緒に体外へ排泄されます。
このように食べ物に含まれているプリン体は、ほとんど腸で分解されるので、プリン体を多く含んでいる食べ物を極端に多く、連日にかけて食べたりしないかぎりは、尿酸値が上昇する直接的な原因にはなりません。つまりは、食事により体内に入ってくるプリン体よりも、体内で作り出されるプリン体の方が圧倒的に多いのです。
肥満の人が尿酸値を下げるには、食べ物に含まれているプリン体の量を気にするよりも、肥満を解消することがとても重要になります。そして肥満の影響は尿酸値を上昇させるだけではなく、脂質異常症や高血圧症などの合併症を引き起こす原因にもなってきます。
激しい運動はプリン体を増加させる
プリン体は、体を動かすときに使われるATPというエネルギー物質にも含まれています。ATPは、エネルギー源として使われると、ADPに分解されますが、体を動かさずに安静にしているとADPは元のATPに戻ります。しかし、急激かつ大量に使われたときには、分解されたままプリン体から尿酸へと変化してしまいます。激しい運動を行うと尿酸値が上がる原因となるのはこのためです。