痛風の薬の種類について~コルヒチン・尿酸排泄促進薬など~
痛風とは高尿酸血症によって尿酸血症が関節に沈着する急性関節炎発作(痛風発作)を引き起こす疾患です。
何らかの原因で尿酸の合成過剰となる場合と、尿中排泄の低下による場合と両者の混合した場合の病型があります。
痛風の治療に使われる薬は数多く種類があります。
どのような薬を用いて治療していくのか紹介しましょう。
痛風発作予防薬 コルヒチン
飲むタイミング:痛風発作時の前兆期~初期(遅くとも2~3時間以内)
発作が起きようとしているときに飲む薬です。
通風は発作が起きる前兆で足がムズムズするなどの違和感があり、その後、激しい痛みが襲います。この違和感を覚えた時点でコルヒチンを服用すると白血球が関節内の尿酸に作用するのを抑え、痛風の発作を抑えます。
発作時
通常、成人は1回1錠(主成分として0.5mg)を3〜4時間ごとに、1日6〜8回服用しますが、年齢・症状により適宜増減されます。1日量は1.8mgまでが望ましいとされています。
発作予防
通常、成人は1日1〜2錠(主成分として0.5〜1mg)を服用します。
発作予感時
通常、成人は1回1錠(主成分として0.5mg)を服用します。
いずれの場合も、必ず指示された服用方法に従ってください。
飲み忘れた場合は、気がついたときにすぐに飲んでください。ただし、次に飲む時間が近いときは1回とばしてください。
絶対に2回分を一度に飲んではいけません。誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談してください。
医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください。
発作時の痛み止め・鎮痛消炎薬
※ナイキサン、ニフラン、ロキソニン、ボルタレン、ボルタレンサポ、インテバン坐剤など
飲むタイミング:発作時
発作時、炎症を抑えて痛みをなくす薬です。痛風の発作によく使われるのは、非ステロイド系の消炎鎮痛剤です。
一般的にナイキサン(ナプロキセン)、ボルタレン(ジクロフェナクナトリウム)、ロキソニン(ロキソプロフェンナトリウム)など。
痛風発作時に適するのは、速効性で抗炎症作用の強い鎮痛消炎薬です。飲み薬のほか、効果の早い坐薬も適します。
発作時におこなう治療法として「短期多量衝撃療法」というのがあります。痛みのピーク時に限り、通常より大量を用いる方法です。
たとえば、常用量の2~3倍量を、3時間おきに3回飲むよう指示されることがあります。鎮痛薬の副作用を回避する意味からも短期決戦がポイントです。2~3日たち痛みが軽くなった段階で、はやめに減量中止するようにします。
※鎮痛消炎薬にステロイド薬は基本的に使いません。
ただ、重い胃潰瘍や腎臓病などで一般的な鎮痛薬が使いにくい場合に、
緊急避難的に用いることがあります。
漫然と長期間続けることは、好ましくありません。
尿酸降下薬
※尿酸排泄促進薬と生成抑制薬があります
尿酸排泄促進薬 ベネシッド、ユリノームなど尿酸排泄促進薬
飲むタイミング:痛風予防のため毎日(発作が落ち着いた頃)
尿酸が排泄される量を増やしてくれる薬です。尿酸を排泄する機能がうまく働いていない人に向いています。
関節炎を起こしているときに飲むと逆効果になりますので絶対飲まないでください。
痛風発作が落ち着いた頃に服用し始めます。
※用法用量は症状により異なります。
医師の指示を必ずお守りください。
尿酸生成抑制薬 ザイロリックなど
飲むタイミング:痛風予防のため毎日
尿酸の生合成をおさえ、体内の尿酸を減らします。尿酸が作られる量を抑えるので、尿路結石がある人にも有効です。効果を期待するには毎日飲まなければいけません。
「尿酸産生過剰型」の人により適します。
用法・用量(参考:グラクソ・スミスクライン株式会社)
通常、成人はアロプリノールとして1日量200~300mgを2~3回に分けて食後に経口服用する。
飲みはじめに、かえって痛風発作を起こしてしまうことがあります。尿酸の結晶が関節から溶け出すためです。この現象は良くなる過程ですから、ある程度しかたありません。関節にたまった尿酸が排泄されると、その後は発作が起こらなくなります。
飲み忘れた場合は、気がついたときにすぐに飲んでください。ただし、次に飲む時間が近いときは1回とばしてください。
絶対に2回分を一度に飲んではいけません。誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談してください。医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください。
薬だけに頼らず、食事療法も取り入れて体質改善を行うよう、食事指導も行われます。
肉やアルコールや、暴飲暴食を避ければ尿酸値は低下する傾向にあります。