高尿酸血症の痛風はこのように進行する
病気の進行には3段階ある
尿酸値が高い状態を放置したままにしてると、うまく体外に排泄されなくなるので、体内に残った尿酸が関節に蓄積されていき、やがて白い針状の結晶である尿酸塩がつくられて痛風発作を引き起こします。
そして進行し慢性化してしまうと、
痛風結節というコブができる
- 腎障害
- 高血圧症
- 糖尿病
- 脂質異常症
などの生活習慣病を合併してしまうことがあります。
この高尿酸血症から痛風への進行過程は大きく以下の3段階に分かれます。
①無症候性高尿酸血症期
②痛風間欠期
③慢性痛風期
無症候性高尿酸血症期
無症候性高尿酸血症期というのは、尿酸値が7.0mg/dlの基準値をこえているけど、何も症状が出ていない状態のときです。ふだんは、病院や健康診断などにより発覚します。
症状は何も出ていないにしろ、尿酸値が高い事にはかわりがありませんので、運動や食事などの生活改善が必要になってきます。
痛風間欠期(痛風発作が繰り返し起こる時期)
痛風間欠期とは痛風発作がときどき起きる時期です。痛風発作の痛みは、通常であれば6~10日で引いていきますが、治療を行わずにそのままにしておくと、痛風発作が何度もくり返し起きてしまいます。
痛風発作が起きる間隔は個人差がありますが、短い場合だと数か月、長い場合は数年などと大きく異なってきます。
この時期になってくると、尿酸値を下げる治療は必要不可欠になってきます。この特にしっかりとした治療を行わないと、発作が起きる間隔が短くなり、激痛に襲われてしまう回数もふえてきます。
そして、痛風間欠期は、尿路結石や腎障害などを引き起こしやすい時期でもあります。この理由としては、尿酸が腎臓や尿路などに溜まりやすい傾向にあるためです。
慢性痛風期
慢性痛風期とは、痛風が進行し症状が慢性化した状態のことです。痛風間欠期にしっかりとした治療を行わなかったり、途中で治療を止めてしまった場合におこる段階です。
痛風結節といわれる尿酸塩でできた「コブ」がつくられるようになり、また痛風腎や高血圧症、脂質異常症など、色々な合併症が起きている可能性がある状態のことです。この段階は体内の尿酸値がとても高くなっていて、正常な人に比べて数倍以上も高くなっていることもあります。
無症候性高尿酸血症と自覚症状
尿酸値が正常値の範囲を超えている状態が長いあいだ続くと、ふえすぎてしまった尿酸が尿酸塩という結晶になり関節などにたまって、そのうち痛風発作を引き起こします。しかし、人によっては、尿酸が関節などにたくさん蓄積された状態でも、痛風発作が起きないことがあります。このような場合では、気がつかないまま腎臓などに尿酸が沈着し「痛風腎」を発症させて、いろいろな障害の原因となってきます。
腎臓はとても「我慢強い」臓器です。活動機能が半分以下に低下したとしても、腎臓自体には自覚症状が出にくいという特徴があります。逆に、腎臓に自覚症状があらわれてしまった時には、痛風腎により腎障害がとても進行してしまっている可能性があります。