痛風発作は足首以外、肩や首にも起こる
痛風というと足首に痛みが起こるという認識がありますが、
足首以外にも体のあらゆるところに痛みが生じる場合があります。
- 首
- 肩
- 手首
- 肘
- 膝
といった箇所です。勿論、これらの部位に痛みが起こる率は足首よりもずっと少なく、70~90%以上は足に痛みが起こります。
データを元に分析すると痛風発作(痛風の痛みの発症)が起きやすい部位というのが分かっています。それは、
- たんぱく質の少ない場所
- 酸性が強い場所
- よく動かす場所
- 負担かかかりやすい場所
- 温度が低い場所
です。
痛風の痛みの原理
痛風発作は尿酸が尿酸ナトリウムとなって結晶化することから始まります。
上記の痛風発作が起きやすい場所は結晶ができやすい条件を有しているということになります。結晶ができやすい部位は自ずと体の節々や末端ということが分かると思います。
中でも足首の親指のつけ根の部分や足の甲、くるぶし、かかとは結晶ができやすいすべての部分を満たしているということになります。
他方、肩あるいは首に痛みが生じるという場合には、よく動かす場所、負担がかかりやすい場所であるからということが考えられるでしょう。
首や肩に痛風発作が起こるしくみ
首や肩に痛風発作が起こるしくみは足首の場合と同じです。痛風発作は患部に尿酸結晶が溜まるだけでは必ずしも起こるとは限りません。患部に炎症が起こってはじめて痛みをおぼえます。
具体的には、結晶となった尿酸ナトリウムを異物として体が認識すると白血球は尿酸結晶に対して攻撃を始めます(白血球には体を外敵から守ろうとする働きがあります)。
こうなると尿酸結晶の溜まった患部は正に戦場であり、白血球は色々な化学物質を放出しながら尿酸結晶と戦います。
実はその戦いの最中の放出された物質が炎症の原因であり、これらの物質によって毛細血管が広がり、その部分の血液量が多くなるため腫れ、痛みが起こるわけです。
足首等と同じく肩や首においても以上のことが起こっています。
首や肩に痛風発作が起こった場合の治療法は足首に起こった場合と大きく変わりません。
まず安静にすることを第一とし、その他湿布貼付、冷却剤塗付、鎮痛薬投与などです。