痛風にならない高尿酸血症のほうが怖い
痛風と非常によく似た病気に、「高尿酸血症」があります。痛風患者は100%高尿酸血症ですが、高尿酸血症の方が必ずしも痛風になるとは限りません。と言うと謎解きのようですが、要は、高尿酸血症のうちの一部の方に痛風発作が起きるということです。
一たび痛風を発症すると、その痛みゆえに、また痛みを二度と経験したくないことから、まず全員が医師の診断を受けます。そこで尿酸値を下げる薬や、尿酸生成を抑える薬を処方されて誰もが飲むわけです。
高尿酸血症の怖さ。腎臓や循環系に及ぼす影響
しかし、ここで注意すべきことは、痛風発作を起こさない高尿酸血症の人のほうが、実は怖いということです。
確かに勤務先でも、健康診断の結果で尿酸値が高いのに痛風を発症していないばかりか、それゆえに医師の受診を勧めたところ、(今のところ)痛風発症の恐れはないと診断されたという方が何人かいます。
でも、痛風にならないからといって、安心してはいけません。
血中尿酸値が高いということは、腎臓や循環系に負担をかけることですから、腎臓、そして動脈硬化や心筋梗塞の危険も否定はできません。
またそれは、痩せていても、高脂血症や糖尿病じゃなくても、つまり尿酸血が高いだけで健康リスクが高くなっているということに他なりません。
発作が起こるかどうかは尿酸値が高くても人それぞれ
ということは、尿酸値が高いということが分かった場合、少なくとも、尿酸値を下げる努力はすべきです。
私が通風を発症したときの尿酸値は9以上ありました。社内で高尿酸値と診断された方で、8を超えている人もいます。
それが必ずしも痛風発症につながらないところが人体の不思議なところですが、男性で40才を越えたら、自覚症状がなくても、尿酸値には気をくばっておきたいものです。
事実、尿酸値が高くなると、それは自然に体のあちこちに蓄積します。思い起こせば私も、痛風を発症する前に、既に足の親指の付け根がちょっと盛り上がっていました。
父親が痛風でしたから、これも予兆かなと思っていたところ、そのとおりだったわけです。
具体的には、男性で尿酸値が7mg/dlを超えたら、高カロリー食やアルコールを控え、プリン体を含む食物を抑えるなどの生活改善は必要だと思います。
一方で、女性の痛風発症はほとんどないようですが、それでも肥満体であったり高カロリー食が好きであったり、50才を過ぎていたら、やはり気をつけるに越したことはありません。