尿酸値はなぜ高くなるのか
作りすぎか、溜めすぎか
尿酸値が高くなるのは2つの場合が考えられます。
1つは体内で尿酸が作られすぎる場合。もう1つは尿酸の排泄がうまくいかず、たまってしまう場合です。
日本人では圧倒的に後者のほうが多いようです。
体内で作られる尿酸は1日約500mg、食物からは約100mg吸収され、合計600mgが毎日つくられます。これに対して腎臓を経由して排出される量も同様に約600mg。体の中には、通常1200mgの尿酸がプールされていて、毎日半分ずつの尿酸が新旧交代して入れ替わっているわけです。
このバランスが崩れると尿酸値が蓄積して、「高尿酸血症」つまり「痛風」へと進行してしまうわけです。
尿酸を作りすぎる原因は?
生命活動の老廃物である尿酸の出来る量は生活上の要因に大きく左右されます。
次のような状況では、尿酸が過剰につくられます。
- 食べ過ぎ(栄養過剰)
- 飲み過ぎ(飲酒)
- ストレス
- 激しい運動
昔は痛風は「ぜいたく病」などと呼ばれて、食べ物の内容だけに原因があるように言われてきましたが、そうではないことがわかってきました。
上記の4つのうちどれか、もしくはいくつかが重なったとき、尿酸が必要以上にできて痛風になるのです。
原因は様々…
食生活が乱れがちで、ストレス社会の中でもまれ続ける現代人にとって、避けられない病気が痛風だということもできます。
また痛風は、ある程度遺伝するものだと考えられます。
痛風になった人で血縁にも痛風の人がいる確率は5~40%くらいと言われます。
遺伝的要素に環境的な要素が加わって発病する場合が多いのです。
20代・30代も油断できない痛風
痛風は中年の病気のように思われがちですが、それだけではありません。
上のグラフのように、30年前には40代・50代であった痛風が、1992年のデータでは30代・40代の病気と確実に若い層に広がっているのです。
そして、この10年間の数字の変化は食事ばかりに原因を押し付けておけないことを物語っています。というのも、この10年の数字の変化は食事ばかりに原因を押しつけておけないことを物語っています。というのも、この10年間に日本人の栄養事情にほとんど大きな変化はないからです。
ストレス社会といわれる複雑化した社会の中で、現代人が受けるストレスの大きさやそれに対して人間が受けるダメージが痛風を若者にまで広げているのかもしれません。