「痛風発作の治まりが治療終了」ではない
痛風の激しい痛みから解放されると、痛みの発作原因が高尿酸血症であることを忘れてしまい、「痛風発作が治まる=治療は終了」と思う人もいます。
しかし、症状が治まっただけで安心し、生活習慣の改善や、薬物療法を行わずにいれば、尿酸値は高い状態のままで、痛風発作は必ず再発、悪化し、命に関わる合併症を引き起こす危険も高くなります。
痛風と高尿酸血症の治療は別物で、
- 痛風発作の治療=緊急治療
- 高尿酸血症の治療=根本的な治療
であることを、しっかりと理解しておきましょう。
薬物療法で使用する尿酸降下薬の効果は大きく、尿酸値は直ぐに下がります。しかし、「治った!」と思って薬を飲むのを自己判断でやめてしまうと、すぐに尿酸値は元の値に上がります。生活習慣の改善と投薬は、じっくりと焦らずに続けることが高尿酸血症の治療にはともて大切になってきます。
治療を中断してしまう人が多い
高尿酸血症は、高血圧や糖尿病、脂質異常症など、その他の慢性病気に比べると、明らかに薬の継続率が悪い病気のひとつになります。
- 症状がないので薬を飲むのを忘れる
- 尿酸値が一時的に下がったから治療をやめる
このように自己判断で薬を増減する人が少なくなりません。
高尿酸血症の薬は、種類、飲む量や時間も患者さんに合わせて決めていきます。その際に、医師は処方を守っていることを前提として調整を行います。そのため、自己判断で薬をやめてしまうと、高尿酸血症に戻ってしまうのはあたりまえです。
薬を飲んだり飲まなかったりと、自分勝手に量を増減してしまうと、尿酸値は大きく乱高下してしまい、コントロールが中々難しくなります。
薬が処方された場合は、必ず医師の指示通りに服用するようにしましょう。
痛風・高尿酸血症の治療中断率
- 1ヶ月以内に中断…約30%
- 1年以内に中断…約50%
治療は気長に行う気持ちで
痛風発作を抑える治療と違って、尿酸値を下げる治療は薬の服用だけではありません。食事内容や飲酒、運動などに気長にじっくりと取り組む気持ちが大切になります。