痛風や高尿酸血血症は男性に多い
痛風・高尿酸血症の患者さんは増え続けている
2005年の時点で厚生労働省が発表した「痛風で通院をしている患者数」は約88万人いるとされています。この人数というのは1995年と比べてみると10年で約2倍になっています。そして近年では100万人以上と推測がされます。また、痛風予備軍とされる高尿酸血症の患者さんの数は10000万人以上に達すると推測されています。
痛風の大きな特徴としては、ほとんどの患者さんが男性だということです。その理由としては、男性は女性に比べると体内に存在する尿酸の量が多く、思春期になれば尿酸の量が急激に増えてきます。
そして、年齢とともに低下していきますが、何らかの原因により尿酸が増えることで高尿酸血症になります。この高尿酸血症を放置しておくと、痛風発作を引き起こすようになってしまいます。
また、中高年になると
- 動脈硬化
- 高血圧症
- 糖尿病
- 腎臓病
などの生活習慣病のリスクが多くなるので、その影響で腎機能の低下、服用している薬の副作用で尿酸値が高くなってしまうことがあります。
女性に痛風患者が少ない理由
女性に痛風患者が少ない理由として考えられているのは、女性ホルモンには尿酸を体の外へ排泄させる働きがあるためと考えられています。しかし更年期を迎えて閉経すると、エストロゲンの分泌が減少してしまうので、尿酸が増えてしまい、高尿酸血症になりやすくなります。
中高年に多いとされていたが最近は若い世代に増加
近年の痛風調査によると、高尿酸血症の頻度は成人男性では22~26%と報告されています。
年齢別にすると
30歳代、40歳代がもっとも多い
その中でも30歳代の頻度は30%にもなります。また、10歳代での高尿酸血症の割合は16%もいたとされています。
このように痛風=中高年の病気というような以前のイメージはなく、近年は30歳代の痛風患者んが最も多い状況です。
近年は女性の高尿酸血症も増加
女性は女性ホルモンの影響で、尿酸が増えにくく、高尿酸血症にはなりにくいといわれていましたが、近年では若い女性の高尿酸血症の患者さんがみられるようになりました。
その主な原因として考えられるのが、
- ダイエットなどで不規則な食生活
- 暴食や動物性脂肪のとりすぎによる肥満
- ストレスの蓄積
- アルコール類の暴飲
などです。
このような行動が女性ホルモン分泌の乱れをまねき、高尿酸血症の原因となります。
サイアザイド系の降圧利尿薬
サイアザイド系の高血圧利尿薬は、ナトリウムを排泄すると一緒に、カリウムの排泄を促進させるので、低カリウム血症を引き起こすことがあります。尿酸の排泄を促進させるには、尿をアルカリ性にすることが重要になります。
尿がアルカリ性になることで、尿酸が尿に溶けて排泄されやすくなるので、尿路結石の予防にも効果が期待できます。
カリウムとナトリウムは血液中でお互いにバランスを保つ関係です。低カリウム血症になることでカリウムが不足し、ナトリウムが過剰になります。
その結果、
- 高血圧症
- 糖尿病の誘発、悪化
- 脂質代謝へ悪影響
- 痛風の誘発
などの色々な副作用を引き起こしてしまうことがあります。
サイアザイド系以外の、ループ系尿薬などの降圧薬でも尿酸値が上昇することがあるので注意が必要です。