近年、30歳代で痛風を発症する人が増加
30歳代で痛風発作を初めて経験する場合が最も多い
以前の日本にとっては、痛風とは珍しい病気でした。しかし、食生活が欧米化し、高タンパク質・高脂質・高カロリーになってしまったのに合わせて、痛風患者も急増しました。
痛風と聞くと、中年太りの男性がなる病気だと思われがちですが、近年では変わっています。傾向としては、初めて痛風発作を発症する年齢は30歳代の男性となっています。男性が多い理由は、女性はもとから尿酸の量が少なく、女性ホルモンによって尿酸の排出が促進されるのでもともと尿酸値は上がりにくい傾向にあります。しかし、閉経後には女性ホルモンが急激に減るので、尿酸値が上がりやすくなります。
このように、痛風は男女問わず誰が発症してもおかしくない病気です。
成人男性の20%以上は高尿酸血症である
痛風の予備群とされている高尿酸血症の患者さんは年々増えています。1960年代の頃は高尿酸血症とされる成人男性は約5%だったのが、現在では30%以上にものぼります。年齢別では、30歳代が最も高く、次いで20歳代という順番です。
若い世代は高尿酸血症の段階では病院へ行くことが少ないことから、将来的に痛風発作を引き起こしてしまう人はとても多いと考えられます。
子どもの高尿酸血症は遺伝的なものが多い
子どもが高尿酸血症になることは極めてまれで、その原因の多くは遺伝的なものだとされています。しかし、10歳代の高尿酸血症は約16%といわれていて、その原因の多くは肥満とされているので、子どもの肥満予防・解消も重要な課題です。