激しい運動は、逆に尿酸値を上げてしまう
筋肉が酸素不足になることでプリン体がつくられる
意外かもしれませんが、スポーツ選手の中に痛風で悩んでいる人は多いと言われています。その原因の一つに、激しい運動を行うこととされています。
通常は筋肉を動かすためのエネルギーは呼吸で得た酸素から使っていますが、体を激しく動かすと、筋肉が酸素不足になってしまい、ATPといわれる物質からのエネルギーを使用します。そうすることで、体内のプリン体がたくさん作られて尿酸が増え、尿酸値が上昇してしまいます。
そして疲労物質である乳酸が筋肉内で増え、大量の汗が出て体内の水分が不足してしまうと、尿酸が体外へ排出されにくくなります。
汗を大量にかき、血液中の濃度が濃くなった状態で尿酸値が上がってしまうと、尿路結石や痛風発作が起きてしまう危険性が高くなります。
このことから、効率よく尿酸値を下げるためには激しくない適度な運動が適しています。
痛風、高尿酸血症の人が避けるべき運動
急激な激しい運動を行うと、逆に尿酸値を上昇させてしまう。くたくたになるまで運動したり、競うようなマイペースを保てない運動はさける。
競うもの
運動療法に適している運動量、運動強度は人それぞれ違います。人と競争するような運動は、マイペースを保てなくなるので、避けた方が好ましいです。
体に大きな負担を与えるもの
ベンチプレスなど、息を止めて瞬間的に大きな力を使うような運動や、息が上がって汗をたくさんかいたりするような運動は、尿酸値の改善には向きません。
普段はあまり行わない運動
頻繁に行えないようなスキーや登山、サーフィンなどの季節に影響されやすい運動は運動療法として適していない。
痛風、高尿酸血症の人に向いている運動
ゆっくりと自分のペースで行える有酸素運動が適しています。長期間・定期的に続けることが大切なので、軽めで心地よい汗が出るくらいの運動がちょうどよい。日々の生活の中に運動をする習慣を取り入れよう。
自分のペースでできるもの
少し汗ばみ、呼吸が乱れない程度の自分の体にあったペース配分ができる運動が適している。
定期的に行える運動
運動は定期的に週3回程度は行うのが理想的です。日常的に、エレベーターを使用しないや、少し長めに歩くなど、常に意識をしておきましょう。
長期的に行うためにも体にあった運動を選ぼう
あくまでも避けるべき運動は「激しい運動」です。定期的な運動は、尿酸値の低下や肥満防止のためにも行うようにしましょう。最適な運動としては、ウォーキングやサイクリングなどの少し息が弾むような有酸素運動です。
このような運動は、たまに行うのではなく、定期的に長期間行うことが大切です。そのためにも無理な運動ではなく、自分に合った運動を見つけるようにしましょう。
食生活の見直しで尿酸値の改善をはかる
食生活の乱れから肥満傾向になっていたり、お酒を飲み過ぎて尿酸値の急な増加を招くような生活を送っていると、いつ痛風の発作に見舞われても不思議ではありません。
お仕事などで忙しく、なかなか運動やお酒を控えるが難しい方は、まず食生活を改善してみてはいかがでしょうか?
普段の食事に尿酸値を下げる成分のサプリメントを取り入れるのも、尿酸値改善に効果的です。
関連ページ
- 尿酸値が基準の7.0を超えたら要注意
- 肥満につながる食習慣を見直そう
- 水分はカロリーが無い飲み物をこまめに飲もう
- 禁酒よりも節酒をする方が成功のカギ
- 痛風結節ができてしまったら
- 1日の塩分目安は8g以下を目標に
- 太っている人は体重が落ちただけで尿酸が減る
- 痛風に症状が似ている偽痛風とは
- 近年、30歳代で痛風を発症する人が増加
- 採血により高尿酸血症と合併症を調べる
- 痛風発作が起きたら、患部をまず冷やす
- 尿酸値を下げる薬はタイプに合わせたものを選ぶ
- 高尿酸血症状を放置すると痛風発作の原因に
- 高尿酸血症は3タイプに分けられる
- 痛風や高尿酸血血症は男性に多い
- 尿酸とプリン体の関係性とは
- 高尿酸血症の3タイプ
- 痛風発作が起こるしくみ