痛風を放っておくと命にかかわる合併症にも…
高尿酸血症や痛風は激しい痛みを伴う発作がありますが、薬で尿酸値を抑えることができ、以前に比べたら怖い病気でもなくなってきています。治療さえしっかりと行えば痛風で命を落とすことはありません。
しかし高尿酸血症はさまざまな合併症を引き起こすケースがあります。
中でも多いのは生活習慣病で心筋梗塞や心臓病、脳梗塞などの脳血管障害を引き起こす恐れがあり、場合によっては命にかかわることもあります。
主な合併症
高血圧
高尿酸血症、痛風と高血圧はとても合併を起こしやすいことがわかっています。
合併すると動脈硬化が進み、脳卒中や心臓病のリスクが高まります。また、血圧を下げる薬の中には尿酸値を上昇させる作用があるものもあるので、注意が必要です。
高脂血症
高脂血症というのは名前の通り、血液中のコレステロール、中性脂肪などの脂質が異常に増加する症状です。とくに現代人に急増している傾向にあります。
この症状は尿酸値の高い人に合併しやすい特徴があり、高尿酸血症の半分以上の人に高脂血症の傾向がみられるといわれています。このことで動脈硬化を促進することは間違いありません。心臓病などのリスクが高まりますので注意が必要です。
糖尿病
糖尿病は日本人の国民病といわれるほど多数の患者がいます。
そして多くの合併症を引き起こすことで有名です。
高尿酸血症、痛風の人は糖尿病の予備軍が多いといわれており、これはどちらの危険因子に共通のものが多いためと考えられています。
心臓病・脳血管障害
心臓病、脳血管障害ともに動脈硬化が原因で引き起こされるもので、命にかかわる重大な病気です。高尿酸血症、痛風の人は動脈硬化を起こしやすいため、こうした病気を合併しやすくなります。さらに、高血圧、高脂血症、糖尿病などを合併すると、血管にかかる負担は一気に増えます。合併症の中ではとても重度の病気なので、充分に注意が必要です。